「定年後に夫がキレやすくなった」、「父が退職後怒りっぽい」等という現象が増えているようです。
どうやら男性は、60代～70代になると男性ホルモンであるテストステロンが低下して抑うつ症状が起きることがあるらしく、
欧米ではこうした症状を「気難しいお年寄り症候群」や「イライラ男性症候群」と呼んでいるそうです。
この症状は、女性の更年期障害にも似ているそうで、本人たちも歯止めが効かないのかもしれません。
ただ、最近までこうした症状の存在を知らなかった私は、性格が穏やかでない高齢男性を見て驚くばかり…
特に、勤務中や街中、公共交通機関で、そうした高齢男性を見かけた時はビックリしました。
ただ、そうした場面を観察してみると（すぐにでもその場から立ち去りたいくらいですが…）、
相手が自分より弱い立場の人だとキレる場合が多いようでした。
とすると高齢男性がキレる原因は、会社の中で偉いといわれる立場に長い間居続けたため、
リタイア後も「周囲の人々にそのように接してもらって当然」という考えが抜けないためでは…と想像。
専門家によると、高齢者がキレる原因は前述した抑うつ症状以外に、社会のスピード感についていけない、孤独感がある、承認欲求を欲しているため、などがあるそうです。
確かに、それらも原因かもしれませんが、個人的には、長い間会社で大きな顔をしていられたがために、「高齢男性は若い者より偉い」という縦社会思想が体に染み込んで離れず、
そうした扱いを退職した後も周囲に求めてしまうためだと思います。
つまり、こうした高齢男性を生み出したのは、日本の会社であり日本の社会制度そのものだと思うのです。
若者はこうした高齢男性を目にしながら、「自分はああならないようにしよう」と他山の石にしているはず…
ただ、高齢男性・女性問わず、歳を重ねれば重ねるほど謙虚な姿勢を心掛ける必要性は、誰にでもあるかもしれません。
