4年前、『毒になる母 自己愛マザーに苦しむ子供』(キャリル・マクブライド、2015)と同じタイミングで読んだ、
『毒になる親 一生苦しむ子供』(スーザン・フォワード、2001)。
上記同様、これもまた先日改めて読み終えたのですが、、、
読み返したタイミングと玉置悟氏の訳が的確なためか、驚くほど理解がスムーズでした。
数年前に読んだときは、当時の自分には衝撃的すぎる内容で…
内容を理解するよりも、信じたくない・目を背けたい気持ちのほうが勝っていました。
だから、きちんと読めていなかったと思います。
それが今回読んで、本1冊すべてが時間をかけて向き合う価値ある内容で、
これまで生きてきた自分の存在が救われるような思いでした。
もちろん、過去を思い出しながら読んでいたため、向き合いたくない現実に向き合うことになり、
読み進めるのがつらいときも何度かありました…
読んでいる最中は過去の感情にアクセスしているせいか神経を消耗し、
つらかった当時と同じように手の平の皮がむけたり、胃に違和感を覚えたり、不眠症になったり、
怖い夢ばかり見たり、呼吸が浅くなったり、肩に力が入ったりしていました…
ただ、読者に寄り添う内容と訳のおかげか、今回は最後まで読み切ることができました。
幼少期、引っ越し続きで各環境になじめず、1人ぼっちでずっと寂しかったこと、
親は子どもに無関心で感情に寄り添ってくれず、親の都合で子どもを振り回していたこと、
そうしたことに対する恨み、怒り、恐怖などの感情を長い間抑えつけてきたこと、に初めて気付きました。
加藤諦三氏の『だれにでも「いい顔」をしてしまう人』(2007)に、
現代人の悩みの原因を集約したと思われる箇所があったので抜粋します。
非生産的生き方になり受容的構えの人になってしまうのも、つまりいつも不満なのも、人に対する恐怖感に苦しめられつづけるのも、嫌われるのが怖くて八方美人になり、人に利用され続けるのも、原点はこのさびしさである。
生涯苦しみつづけ、悩みつづけることの原点はこの無意識の領域にある、計り知れないさびしさである。(p117)
何十年と目をそらしてきた無意識の領域にある現実を直視するのは、心がえぐられるような感覚で、
ともすると、以前の考え方に戻りそうになることがあります。
それでも本来の自分を取り戻して生き還るために、親から支配されてきた感情から真の自立ができるように、毎日試行錯誤中。
ちなみに、印象深かったエピローグの一部を抜粋すると、
本当に愛情のある態度や行動というのは、けっして子供を消耗させたり、混乱させたり、自己嫌悪を抱かせたりするようなことはない。愛情ある親の行動は子供の心の健康をはぐくむ。愛情が相手を傷つけるなどということはあり得ないのである。愛されている時には、だれでも自分は受け入れられ、気づかわれ、評価され、尊重されていると感じる。真の愛情は、あたたかい気持ち、喜び、安心感、安定感、心の平和、などを生む。(p309)
何らかの違和感を覚えるすべての人に読んでほしい本です。