長い間、自立することが最高の成熟状態だと思ってきました。
そのため、「なるべく早く、精神的にも経済的にも自立しなければ」「なるべく他人に頼らずに生きなければ」と考えていました。
そう考えていたのは、日本語で書かれた様々な自己啓発本にそう書いてあったことや、それまで出会った大半の大人がそう言っていたからでもあります。
それが10年以上前に読んだ『7つの習慣』で、「自立」よりも高い成熟状態があり、それが「相互依存」であることを知って以降、少しずつ考え方が変わってきました(※『7つの習慣』信者ではありません)。
その本によると、「自立」は「依存」よりは成熟していますが、「相互依存」よりは成熟していない状態だそうです。
依存している人は、欲しい結果を得るために他人に頼らなければいけません。
一方、自立している人は、自分の努力によって欲しい結果を得ることができます。
しかしながら、相互依存している人々は、自分の努力と他人の努力を引き合わせて、最大の成果を出せるというのです。
「依存」より「自立」が成熟している状態、という概念には馴染みがありました。
が、「自立」よりも「相互依存」が成熟している状態という概念は新しく、それは今の日本社会には馴染みの薄いものだと思いました。
近年の日本人は、私も含めて、他人との関わりを最小限にして生活しようとする傾向が強くなっているような気がします。ぼっち〇〇、孤独〇〇、ソロ○○とか…
それだけ経済中心社会のストレスで疲れ切っている人が増えていたり、もしくは価値観の多様性が認められるようになったりしたことも大きいかもしれません。
『7つの習慣』内では、
「自立していても、相互依存的に考えたり行動したりするまで成熟しきれていない人は、独立した生産者として好業績を上げることはあっても、チームの良いメンバーやリーダーになることはできない。それは、夫婦、家族、組織などの難しい現実の中で成功するのに必要不可欠な相互依存のパラダイムを、その人が、身に付けていないからである。」
との記載があり…いろいろ考えさせられました。
ただ、歴史的背景からいまだ村意識も強く、「相互依存」できるほど個人も確立されていない日本社会では、「自立」状態になるだけで精一杯のような印象があります…
そのため、「自立」よりも成熟した状態が「相互依存」だとしても、その状態になるまでには、日本人の性質的にも社会構造的にも、まだまだ時間がかかるのではないかと思っています。